冷笑よりも、素朴だが重要なメッセージ。 筆禍に舌禍、テロ事件やコロナ禍まで、作家生活30年の集大成! フランスきってのベストセラー小説家による、待望のエッセイ集。 ウエルベックは〈私が政治的に正しくなって、それで何が得られるのでしょう。〉と語る。その歯に衣着せぬ発言の数々には、眉をひそめさせられるものもある。拒絶反応を引き起こす読者もいるだろう。 詩人や文学者をはじめ、左翼知識人にフェミニスト、映画、音楽、建築、宗教……まがまがしくも目くるめく混乱した世界に「介入」するウエルベックの論舌は、鋭く、耳目を集める。 多種多様なジャンルを射程におさめた本書に通底するのは、「口撃」しようとする批判精神ではなく、人間性への関心だ。そこから浮かび上がってくるのは、書くことに愚直にむきあう人物の創作の秘密─「現実を観察し、未来を予測する小説家の哲学」である。冷笑よりも、素朴だが重要なメッセージが込められている。 ヴァレリー・ソラナスの問題作『SCUMマニフェスト』の解説(「人類、第二の段階」)も完全収録! なお巻末には、フランスの政治や文化がわかるように、訳者による「索引註」を付す。 ジャック・プレヴェールは間抜けだ ジャン=クロード・ギゲの『蜃気楼』 混乱へのアプローチ 失われたまなざし──無声映画への賛辞 ジャン=イヴ・ジュアネとクリストフ・デュシャトレとの対談 皮むきとしての芸術 創造的不条理 パーティー 無為の時間 ここに何を探しに来たの? ドイツ人 退職年齢の引き下げ カレー、ドーバー海峡 都会の喜劇 コツをつかむだけ 男は何の役に立つと言うのか くま皮 オペラ・ビアンカ ラキス・プロギディスへの手紙 小児性愛の問い 人類、第二の段階 空疎な空 私には夢がある ニール・ヤング クリスチャン・オティエとの対談 技術の慰め 空、大地、太陽。 二〇世紀からの脱出 二〇〇二年のフィリップ・ミュレ ボフの不完全な名誉回復へ 保守主義は進歩の源泉 実証主義への緒言 私は普通です。普通の作家です。 一生をかけて私は読んだ 土壌の断面 失われたテクスト フレデリック・ベグベデとの対談 存在の消耗に対する治療法 マラン・ド・ヴィリー、ヴァレリー・トラニアンとの対談 アガト・ノヴァク=ルシュヴァリエとの対談 エマニュエル・カレールと善の問題 ドナルド・トランプは良い大統領だ ジョフロワ・ルジュンヌとの対談 もう少し悪いほうへ──数名の友人への返信 ヴァンサン・ランベール事件は起こるべきでなかった 訳者あとがき 註記 初出一覧
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