「病気をとおりぬけた人が世に棲む上で大事なのは、その人間的魅力を摩耗させないように配慮しつつ治療することであるように思う」。治療者はもちろん、病者も社会の中で生きてゆかねばならない。しかも、病の進行あるいは治療の過程に伴って、その関係の変数は多様化し、無限に変化していくことになる。では、「治療者というものは、常識と社会通念とを区別して考えるべきである」とする著者は、具体的にどう対処してきたのだろうか。アルコール依存症、妄想症、境界例など身近な病を腑分けし、社会の中の病者と治療者が織りなす複雑で微妙な関わりを、豊かな比喩を交えて描き出す。
この本を選んだ人の本棚
あなたの9冊は?
自分の本棚をつくる