「黒人の不幸は奴隷化されたということである。白人の不幸と非人間性はどこかで人間を殺してしまったということである。…黒人であるこの私の欲することはただひとつ。道具に人間を支配させてはならぬこと。人間による人間の、つまり他者による私の奴隷化が永遠に止むこと。…ニグロは存在しない。白人も同様に存在しない。」 精神科医、同時にフランス領マルチニック島に生まれたひとりの黒人として、ファノンは最初の著作である本書で、植民地出身の黒人が白人社会で出会う現実と心理を、精神分析学的なアプローチを含め、さまざまな側面からえぐり出してみせた。 他からの阻害があるとき、内面においても自己を阻害する黒人に向けて、そこからの解放を訴えたファノンの言葉は、彼自身の生を出発点として実践のただ中から発せられたものであるゆえに、読む者の心に迫る。 序 (フランシス・ジャンソン) はじめに 1 黒人と言語 2 黒い皮膚の女と白人の男 3 黒い皮膚の男と白人の女 4 植民地原住民のいわゆる依存コンプレックスについて 5 黒人の生体験 6 ニグロと精神病理学 7 ニグロと認知 結論に代えて ファノンの認知 (フランシス・ジャンソン) 注 あとがきにかえて
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