高い評価を得た『ミトコンドリアが進化を決めた』の著者が、当時の理論を直近十年余の研究に基づいてバージョンアップし、進化史の新たな切り口を問う一冊。 絶え間なく流動する生体エネルギーが、40億年の進化の成り行きにさまざまな「制約」を課してきたと著者は言う。その制約こそが、原初の生命からあなたに至るまでのすべての生物を彫琢してきたのだ、と。 「化学浸透共役」というエネルギー形態のシンプルかつ変幻自在な特性に注目し、生命の起源のシナリオを説得的に描きだす第3章、「1遺伝子あたりの利用可能なエネルギー」を手がかりに真核生物と原核生物の間の大きなギャップを説明する第5章など、目の覚めるようなアイデアを次々に提示。起源/複雑化/性/死といった難題を統一的に解釈する。 本文より──『生命とは何か(What is Life?)』でシュレーディンガーは……完全に間違った疑問を発していた。エネルギーを加えると、疑問ははるかに明白なものとなる。「生とは何か(What is Living?)」だ。── 最前線の研究者の感じているスリルと興奮を体感できる、圧倒的な読み応えの科学書。 はじめにーーなぜ生命は今こうなっているのか? 第 I 部 問題 1 生命とはなにか? 生命最初の20億年小史 遺伝子と環境に関わる問題 生物学の中心にあるブラックホール 複雑さへの失われたステップ 間違った疑問 2 生とはなにか? エネルギー、エントロピー、構造 生命のエネルギーのメカニズムは不思議と狭い可能性に絞られている 生物学の中心的な謎 生命は結局のところ電子 生命は結局のところプロトン 第 II 部 生命の起源 3 生命の起源におけるエネルギー 細胞の作り方 熱水孔は流通反応装置 アルカリ性であることの重要性 プロトン・パワー 4 細胞の出現 LUCAへ向かう岩だらけの険路 膜の透過率の問題 なぜ細菌と古細菌は根本的に違うのか 第 III 部 複雑さ 5 複雑な細胞の起源 キメラという複雑さの起源 なぜ細菌はいまだに細菌なのか 1遺伝子あたりのエネルギー 真核生物はどうやって制約から抜け出したのか ミトコンドリアーー 複雑さへ導く鍵 6 有性生殖と、死の起源 遺伝子の構造の秘密 イントロンと、核の起源 有性生殖の起源 ふたつの性 不死の生殖細胞、死を免れぬ体 第 IV 部 予言 7 力と栄光 種の起源 性決定とホールデーンの規則 死の閾値 フリーラジカル老化説 エピローグ──深海より 謝辞 訳者あとがき 図版出典一覧 参考文献 原注 用語集 索引
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