生殖器官たるヴァギナに対し、快楽の器官として長らくその存在を隠蔽されてきたクリトリスは、これまで女性に向けられてきたあらゆる種類の暴力──性器切除、レイプ、フェミサイド、ハラスメントを記憶している。デリダらによる男性中心主義批判の彼方で、哲学はクリトリスの快楽を肯定できるのか。権力と支配に抵抗するアナーキーとしてクリトリスを論じ、ラディカル・フェミニズムの思考を刷新する。 1 さまざまな抹消 2 女神のようなもの(ニンフ1) 3 性のないイメージ──ボッカッチョ、ヴァールブルク、アガンベン(ニンフ2) 4 存在のないナジャ、「愛の対象たる女」に関する短評(ニンフ3) 5 政治的解剖学 6 シモーヌ・ド・ボーヴォワールによる「性的実存」 7 ドルト、ラカンと「関係」 8 「女性器とはクリトリスである」、カルラ・ロンツィと差異のフェミニズム 9 リュス・イリガライ「女は閉じても開いてもいない」 10 「罪なき女性器に対する愛情と敬意とともに」 11 切除と修復──適切な語とは? 12 技術的に改造された身体──ポール・B・プレシアドとトランスフェミニズム 13 「我が外陰部、我が大いなる外陰部」(ニンフ4 ニンフォマニアック) 14 現実の脱自帯 15 クリトリス、アナーキー、女性的なもの 訳者あとがき
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