上田秋成が遺した、江戸中期を代表する怪異小説集。安永5年(1776)刊、5巻9編。執念は彼岸と此岸を越え、死者との対話を繰り広げる。それは夢幻か、現実かーー。現代語訳に語注、考釈も加えた決定版。 慕っていた崇徳上皇の御陵に参った西行が見たものとは? --「白峯」 病に倒れた旅の武士。逗留先の学者と兄弟のちぎりを交わすがーー「菊花の約」 怠け者勝四郎、都に上ると里は戦禍に塗れる。そして愛する妻はーー「浅茅が宿」 絵が得意な三井寺の僧・興義。求める者には自作画を欲しがるまま与えながら、鯉の絵だけは頑として手放さなかったーー「夢応の鯉魚」 高野山へ物見遊山の親子。「仏法」と鳴く鳥に応え歌など詠むも、そこに武士たちが現れーー「仏法僧」 吉兆なら湯が沸き上がるという釜。若い夫婦が祈願したが、釜は虫の声ほどの音も立てなかったーー「吉備津の釜」 雨宿り先で邂逅した美しい女を追いかけ、幸せに暮らすはずがーー「蛇性の婬」 遊行僧を泊めた老人は、紺染の頭巾をかぶり、「鬼」になった僧の話を始め、あることを懇願したーー「青頭巾」 武士・岡左内は、度を越した倹約ぶりで奇人とまで言われた。ある日、黄金の精霊と名乗る老人が枕もとに現れるーー「貧福論」 まえがき「雨月物語の世界」 凡例 雨月物語序 巻之一 白峯/菊花の約 巻之二 浅茅が宿/夢応の鯉魚 巻之三 仏法僧/吉備津の釜 巻之四 蛇性の婬 巻之五 青頭巾/貧福論 解説「此岸と彼岸」 続『雨月物語』の世界 『雨月物語』の本質と史的位置 秋成小伝ーー生活と言葉ーー
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