職人の男が丹精込めて作った大型の肘掛け椅子。床すれすれまで革が張られ、背面も肘掛けも重厚に作られたその内部に、職人はちょっとした細工を施し、自らが身を隠せるようにしてしまった。椅子に潜んで機を狙い盗みを働こうとした男はやがて、椅子となった自分に革一枚隔てて身を任せた女性に対し、名状しがたい熱情を抱くようになるーー。
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