二七年間の牢獄生活の後、アパルトヘイト撤廃に尽力、一九九四年に南アフリカ共和国黒人初の大統領となったマンデラ。不屈の生涯ゆえ「聖人」視されることも多いが、実際は冷静なプラグマティストだった。偏狭な国家主義と分断が再び広がる時代に、想像を超える「和解」を成し遂げた類まれな政治家の人生を改めて振り返る。 はじめにーー映画や本に描かれたマンデラ 略語一覧 第1章 首長の家に生まれて 一 人間主義(ウブントゥ)の「伝統」 誕生と少年時代/宮廷での経験/植民地化の二五〇年 二 ミッション教育 キリスト教とマンデラ/「黒い英国人」/フォートヘア大学 第2章 プラグマティストという天性 一 大都会のアフリカ人 ヨハネスブルクとマンデラ/アレクサンドラでの生活/ヴィッツ大学とバス・ボイコット 二 アフリカニズムと共産主義 改良主義の限界/ICU、共産党、第二次世界大戦/青年連盟/アパルトヘイト/共産党への接近 第3章 非暴力主義という武器 一 不服従運動とM計画 住民登録法とカラードおよびトロツキスト/インド系とガーンディー/不服従運動/M計画/マンデラの人物像と指導者像 二 自由憲章から反逆罪裁判へ 人民会議と自由憲章/反逆罪裁判/離婚と再婚 第4章 民族の槍 一 シャープヴィル虐殺 生体認証国家と女性たちの抗議/PACの結成とシャープヴィル虐殺/非常事態宣言から地下活動へ 二 武装闘争とその帰結 黒はこべ/アフリカとイギリスへの旅/逮捕/リヴォニア裁判 第5章 「誰もが彼に影響された」 一 監獄の内と外 ロベン島/アパルトヘイトの激化/看守たちの感化とANC/再びの苦難の時代から自伝の執筆へ 二 黒人意識運動からフリー・マンデラ・キャンペーンへ 黒人意識運動/家族への手紙/ウィニーの「流刑」とフリー・マンデラ・キャンペーン 三 釈放への道 政権の硬軟両様/暴力の応酬と交渉の開始/二人の大統領との会見/偶像化と背信の種 第6章 老獪な「聖人」 一 釈放から総選挙まで 釈放と諸外国歴訪/対話の進展とマンデラの役割/紛争の調停者/総選挙 二 マンデラ政権 権力の分有/虹の国の高揚感から国民党の連立離脱へ/真実和解委員会とその限界/外交/RDPからGEARへ 終 章 大統領退任後のマンデラ/マンデラの死とその後/プラグマティズムの功と罪 読書案内 あとがき 図版・地図出典一覧 関連年表 索 引
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