聖なるものは遠い人類の神話時代に発し、古代社会における人類の生存全般にわたって顕現した宗教的価値であり、やがて歴史時代の進展と共に衰退し、近代の工業社会に至ってほとんどその影を没しようとしているものである。本書は、この聖なるものの現象形態全般とその中に生きる人間の状況とを叙述し、現代社会に代表される俗なる世界との対比により、宗教的人間のあり方を問い直す。 序言 聖なるものはみずから顕われる ふた通りの「世界のなかに在ること」 聖なるものと歴史 第一章 聖なる空間と世界の浄化 空間の均質性と聖体示現(ヒエロファニー) 神体示現(テオファニー)と徴表 カオス(混沌)とコスモス(宇宙) 場所の浄化は宇宙創造の再現である 〈世界の中心〉 〈われらの世界〉は常に中心にある コスモス(宇宙)としての都市 世界の創造を引き受ける 宇宙開闢と建築供犠 寺院、バジリカ、大聖堂(カテドラル) まとめ 第二章 聖なる時間と神話 俗なる時間維持と聖なる時間 templum(寺院)─tempus(時間) 宇宙創造の年年反復 太初の時への回帰による再生 祭の時と祭の構造 周期的に神々と同じ世に生きる 模範的典型としての神話 神話の再現 聖なる歴史、歴史、歴史主義 第三章 自然の神聖と宇宙的宗教 天の神聖と天上の神々 遙かなる神 生の宗教的体得 天の象徴と存続 水の象徴 洗礼の歴史 象徴の普遍性 地母 地上の分娩と小児を地上に寝かすこと 女性、大地および産出力 宇宙の樹の象徴と植物崇拝 自然の非聖化 その他の宇宙的聖体示現(ヒエロファニー) 第四章 人間の生存と生命の浄化 〈世界に開かれた〉生存 生の浄化 身体─家─宇宙 狭き門の通過 通過儀礼 加入式の現象学 男性結社と女性結社 死と加入式 〈第二の誕生〉と精神的生殖 近代社会における聖と俗 付録 宗教学の歴史 現代と東洋の宗教(訳者あとがきに代えて) 索引、参考書目
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